アダプタの故障原因2.5(雷サージのメカニズム)
前回は雷サージとはどういうものなのかを説明しましたが、
今回はそれが原因で起こる故障のメカニズムです。
雷が原因で、異常に高い電圧が瞬間的に発生し、
少しの電流で正常動作する電気製品の回路に無理やりに
大きな電流が流れて、回路及び部品が焼損し故障に繋がります。
水鉄砲のイメージで、説明します。
ピストンを押す力が電圧、飛び出す水の量が電流です。
羽根車は電気製品です。
(参考)
【番外編】今さら聞けない「トランス」とは何? 超初心者向けVol.3
https://www.kamidenshi.co.jp/magazine/1507/
通常ですと…
雷サージが発生した時、
水鉄砲自身も破壊し、羽根車も破損することがあります。
もちろん
弊社のACアダプタにも雷サージに対する対策(保護)を施していますが、
残念ながら完璧に保護することはできずに故障(破損)してしまうものもあります。
雷が原因で故障してしまったと思われるACアダプタを調査したときの
写真があるのでご紹介します。
下の写真は故障個所が無いように見えますが・・・
制御ICの中に雷が侵入して、ICの内部回路が破損していました。
まれにですが、ド派手に破損しているものもあります
部品が壊れるときに、火花を出しながら壊れることがあります。
部品が壊れなくても、空気中に放電して回路間のショートが発生することもあります。
写真を見ていただいてわかる通り、基板にはスパーク痕や煤が付着しています。
このような状態になっても、燃え広がらないようにACアダプタの部材は燃えにくい
材質の物を使用して、火災になることを防いでいます。
ACアダプタ、故障かな?と思っても絶対にケースは開けないでくださいね。