「数千ボルトの高圧電流が・・・」
TVショッピングのCMを聞いたときに、「はて?」と首をかしげてしまいました。
どんな製品のCMであったかは忘れてしまったのですけど・・(最近物忘れがヒドイ・・)
フレーズはしっかり覚えていて、「高圧電流」という表現に引っかかってしまいました。
この表現は電気学的には誤りです。
今回はトランスのもう一つの働き「変圧」についてお話ししますが、その前に
電気の基礎である「電圧」と「電流」について少し説明します。
電圧とは「電気を送り出すのに必要な力」のことで単位は「V:ボルト」です。
一方電流とは「実際に流れている電気の量」のことで単位は「A:アンペア」です。
子供の時によく遊んだ筒型の水鉄砲に例えて説明してみます。
電気製品も動作させるのに適切な電圧と電流が製品ごとに決められています。
電圧が低いと動作せず、高いと製品を壊してしまいます。
適切な電圧に変換するために必要な部品がトランスで、この動作を「変圧」といいます。
トランスは2つのコイル間で電力の伝達を行います。コイルの巻き数比に応じて
任意に電圧を変換することが出来ます。例えば1次コイルと2次コイルの巻き数比が
10対1である時、1次側に100Vを入力すると2次側に10Vが出力されます。
電源には電気製品を動かすのに必要な電気を取り出す働きがあるとお伝えしました。
この時に変圧も行って、製品に適した電圧の電源を設計することができます。
トランスは1台で何役もこなす優れた部品なのです。
次回は電源の働きについて、もう少し詳しく説明しようと思います。