
ヒューズ界隈
先月からの続きです。
電気製品に使われる保護素子で真っ先に頭に浮かぶのがヒューズです。
特に異常電流を検出して遮断する「電流ヒューズ」が馴染み深いと思います。
電流ヒューズは温度によって溶断する性質をもった金属(合金)を
線状に加工して容器に封入したものです。
ヒューズも抵抗成分を持っており、異常電流が流れた時に発熱します。
この熱で金属を溶断して回路を遮断します。ガラス管ヒューズがイメージしやすいです。

トランスに使う温度ヒューズは、周りの熱(コイルの熱)を
検知して金属線が溶断する仕組みです。
電流ヒューズは、電流による自己発熱で溶断します。
電流ヒューズには定格電流と定格電圧が定められています。
定格電流とは「この電流値までは溶断することなく使用できる電流値」です。
こちらはイメージし易いと思いますが、ヒューズの定格電圧とはどういうものか
イメージしにくいのではないかと思います。
定格電圧とは「溶断後の開放した回路に印加できる電圧」のことです。
ヒューズが溶断した場合には、溶断したヒューズの線間に回路の電圧がかかります。
この時にヒューズの定格を超えた電圧がかかると、線間で放電が発生します。
結果として、異常時に回路を開放できなくなるのです。
以下がイメージ図です。

ヒューズは必ず定格電圧以下で使用しなければいけません。
ヒューズを選定するときはメーカーが提供する「溶断特性」を確認します。
しかしながら電源やモーターなどでは、始動時にパルス状の大きな突入電流が流れます。
突入電流で溶断しない(耐える)ヒューズを選ぶ必要があるのですが、この時は
突入電流を観測した波形とメーカーが提供される「I2tカーブ」というグラフを
使って選定します。
つまり何でもかんでも異常検知してしまうと、正常な運転に支障をきたしてしまうので、
いい塩梅の選定が必要になるということなのです。なかなか奥深いのでございます。