
熱の影響①
最近、モバイルバッテリーが発火や爆発したという事故のニュースを
よく見ます。航空機にも持ち込みが制限されています。
発生原因はいろいろありますが、
発火爆発ということは熱が影響していることが想像できます。
今月号から数回にかけて、電気製品の熱の影響についてお話しいたします。
そもそも、「熱」とは何でしょうか?
「熱」と聞くと、「インフルエンザにかかって高熱が出た」
「熱いものを触ってやけどした」など、さまざまな場面を思い浮かべると思います。
この「人間の体温の上昇=熱」と「物体の温度上昇=熱」は、
一見するとまったく別のものに見えますが、
実は広い目で見ると同じ仕組みで説明できます。
その仕組みとは、分子や原子レベルの動きが激しくなった状態のことです。
言い換えれば、熱とは「何かが一生懸命動いている状態」を、
私たちが温かさとして感じているものなのです。
風邪をひいたとき、人の体は体内のウイルスと戦うため、
細胞や分子の活動を活発にします。
その結果、体の中での動きが増え、体温が上がります。
これが「発熱」です。
一方、金属の熱も基本的な考え方は同じです。
金属の中では、電子や原子が常に動いています。
そこに外からエネルギー(摩擦や電気など)が加わると、
”電子や原子の振動や動き”がより大きくなり、熱を発します。
この「目に見えない動きの増加」を、私たちは熱として感じているのです。
電子や原子の振動や動きとは具体的にどういうことかというと、
電気が流れる(電子が移動する)と原子にぶつかります。
ぶつかられた原子は振動します。
原子は電気の流れを妨げる抵抗となり、そのエネルギーを
熱に変換してしまうのです。

電気ストーブやアイロンはこの熱を逆利用したものですが、多くの機器は熱が苦手です。
誤動作の原因になったり、場合によっては火災などの大事故につながる恐れもあります。
導体と呼ばれる電気が通り易い鉄や銅も、抵抗が低いだけで、大きな電気を流せば熱が生じます。
次回は熱対策についてお話しいたします。