安全重視か?見た目重視か?(変圧と絶縁③)
表裏一体という言葉があります。一長一短という言葉もあります。
良い薬にも副作用があります。トランスも同じことが言えます。
絶縁型に続き、
今月は非絶縁型のトランスについて説明します。単巻き、オート式とも呼ばれます。
(以後オート式トランス)
コイルが1つですので、絶縁型に比べて構造がシンプルです。
また入力電圧と出力電圧にもよりますが、絶縁型に比べて小型化が可能です。
絶縁はできませんが、変圧に関しては上記のようなメリットがあります。
では何故小型に出来るのか簡単に説明してみます。
オート式トランスでは入力と出力のコイルを共用する部分があります。
の共用部分では互いに逆向きに流れる入力電流(0.5A)と出力電流(1A)が
”打ち消し合う”ように作用します。
上の図の共用部分では 1A-0.5A=0.5A の電流となります。
本来、1.0Aの電流を流すことができる太さの銅線が必要なところが、
流れる電流が小さくて済むので、細い線でコイルを作ることができるのです。
加えて絶縁するための部品もないので、更に小さく作ることができます。
これがオート式トランスを小型にできる理由です。詳しくは過去ログでも↓↓
サイズを小さくできるトランスって?| 過去メルマガ一覧
オートトランスの「電流」と「温度ヒューズ」| 過去メルマガ一覧
小型になったオート式トランスのイメージ
絶縁トランスの回路図イメージ
絶縁トランスに比べて小さく製作できることがご理解いただけたでしょうか?
入力電圧と出力電圧の差が小さいほど共用部分が多くなるので、より小型にできます。
とはいえ絶縁ができませんので用途は限られます。
ご興味のある方は是非弊社にお問い合わせください。