備蓄米が市場に出てきましたね。
今月はお米のお話というよりJAグループのお話です。
最初の競争入札で放出した備蓄米は9割以上がJA全農が落札したそうですが、
これは農水族議員の影響力があったのでしょうか?
それに、JAは、ほとんど市場に出していません。そういったこともあって、
最近はこのJAや農水族議員に批判の矛先が向いています。
でもJA側はわざとコメの値段を引き上げるためにそうしている訳ではないと思うんです。
そうしたいのは農水族議員で、JAはどちらでもいいと思っています。
なぜなら、もともとJAはこういった農協事業は全て赤字だからです。
利益が出ていないんですね。
こんなニュースがありました。
「農林中金 1兆8千億の赤字確定」農林中金はJAグループです。
JAにとって大変な事かと思いきや、何ともない様なんですね。
1兆8千億ですよ!
なんとJAバンクが資本増強という形で補填するらしいです。
すごいですね~。
だってJAバンクはお金持ってます。なんなら余っているようです。
JAバンクの預金残高 108兆円! 日本で第5位
農林中金も62兆円あり、合わせると170兆円です。
ちなみに1位は三菱UFJで200兆円ですから、
JAはメガバンクと同じだけの預金量がある銀行です。
参考までに他の地方銀行の預金量はというと、りそな銀行35兆円、横浜銀行18兆円ですから、
JAバンクがいかに大きいかがわかると思います。
主な収入は共済と信用(銀行)事業です。
この二つで大儲けし、農協事業の赤字を補填しているんです。
でも貸出が少ないんですよね。三菱は100兆円あるのに対して、JAバンクは23兆円
のみなので、JAバンクは余ったお金を農林中金に運用してもらっていたわけで、
その運用に失敗したのが今回の1兆8千億の赤字です。
JAバンク側は毎年の利益還元を3000億要求してたみたいで、それに応えるため高い
配当を狙って、外国債券の運用をしていたそうです。
JAは銀行業に力をいれたいんでしょうけど、そうもいかないんですね。
それは本来の農協があるから、これだけのお金が集まるんです。
預金者は農業をしている人。
農業をするにあたって、給与や年金をJAバンクに預け、苗や肥料、農薬や農業機械等
全てJA から購入し出来上がったお米はJAに出荷、それら全てがJAの口座です。
なので、ほぼ全ての農家はJAバンクに口座があるんです。
だから農協事業が無かったら、JAバンクは成り立たないんです。
そういうことから、JAとしてはお米の利益なんて気にならない程度なんだと思います。
それに今回備蓄米を大量に放出されても、政府の買い戻し先は全農(JA)なんで、
何の問題もないでしょう。
JAが悪い。潰せ!って人もいるようですが、JAがお米の値段を引き上げているわけではないようです。
今回の騒動で、一番困っているのは農水族議員、農業従事者の票が心配でしょうね。
JAが困るのは預金者(農業従事者)のお米の出荷金が入らなくなることでしょうか。
農政改革は農水族の解体、これからどうなるかですね。
それと、今後このコメ騒動はどうなるかですが、テレビで農業について何も分からない
大学教授なんかがコメントしているのを聞くと、その人のほかのコメントも信用できなくなってきます。
司会者からコメントを求められての事なんだろうけど、あまりにも無知すぎる内容が多いです。
「減反政策をやめて直接支払いにすれば生産量は増えるし、生産者の所得も上がる」
これ、よく聞く内容です。全くそうなりません。
一時的(瞬間的)に生産量が増えても価格は戻らないでしょうし、流通量も増えません。
だって生産者が激減しているんですよ。
20年前と比べて半減。10年前から比べても30%もの人が離農。
これが現実です。更に高齢化が進んでます。もし仮に企業の参入を認めても、水路や
河川の改修まで、根本的にやらないと、お米は作れませんから。
どこまで政府がやるかです。それには相当な時間とお金が必要ですから、
今すぐにとりかかっても数年でできる事では無いと思います。
なので、このコメ不足と高騰はしばらく続くと思います。
もう少し待てば、輸入米を解禁してコメ不足は解消されるかもしれませんね。
日本のお米と輸入米が普通に店頭に並ぶのかも。
消費者が選択できるようになればいいと思うんですけど。
そうなれば食糧危機の問題ですね。お米は主食ですから。
9月になれば新米。今年も新米プレゼントが出来るように頑張ります。
仕事もコメ作りも。