ちょっと気になるマッチング!(マッチングトランスの役割)
マッチングと言えば、最近ですとマッチングアプリをつい思い浮かべてしまう方が
多いのではないでしょうか?
今回はそんな出会い系とは無縁なマッチングトランスのお話です。
最近、弊社にマッチングトランスのお問い合わせが増えてきています。
マッチングトランスは名の通り、インピーダンスをマッチングする、
電気信号を送り出す側と受け取る側のインピーダンスの値を同じにすること
すなわちインピーダンス整合(一致)に特化したトランスです。
マチアプで例えるなら、お互いの条件を合わせるようなものでしょうか。
インピーダンス整合は↓↓での過去ログで復習できます。
【今さら聞けない】インピーダンスの整合 | 過去メルマガ一覧
実はこのトランス、市場での使用量は激減しております。
作り手側の部材(鉄と銅)の高騰や、後継者不足で製造を断念されているという背景からか、
弊社へのお問い合わせが逆に増えているようです。
同じトランスメーカーとして少し寂しい気分になりますが…
そのマッチングトランスですが、音が出る製品にはよく使われています。
残念ながら、スマホやタブレットのような最新機器は、よく耳にする
半導体を使って音を出しているので、アナログ部品のマッチングトランスの出番はありません。
なにより大きくてスマホになんて入りません。
そんなデジタル全盛の世の中になってきましたが、ゴリゴリのアナログ部品である
マッチングトランスが不要になるわけではなく、需要は少なからずあるんです。
身近な製品ですとインターホンやドアホン、エレベーターの緊急放送機器、
カラオケのマイクなんかには使われています。
それではマッチングトランスがどのように使われているのか、音響機器を
例にして説明してみようと思います。
音楽などの音源から音声信号を生成し、アンプで増幅してスピーカーを鳴らします。
アンプの出力とスピーカーの間にマッチングトランスを使います。
今ではほとんど見かけなくなりましたが、音源の記録媒体としてレコード板がありました。
若い方にはあまり馴染みがないかもしれません。
次号ではそのレコードの仕組みとマッチングトランスの働きについて簡単にお話したいと思います。