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【今さら聞けない】低周波トランスのコアについて

2021年11月17日
技術ネタ

 

低周波トランスのコアについて

 
 

以前、高周波用トランス(スイッチングトランス)に使われるコア(鉄心)について解説しましたが、
今回は、低周波トランスに使用されるコアについて紹介します。

 

コアによって得意な周波数帯は分かれ、低周波トランス(商用周波数50/60Hz用)では、
主にケイ素鋼板が使用されます。

 

コアの役割を簡単に復習すると、、、
一次コイルに流れた電気が発生させる磁力を、二次側コイルへ誘導する役割です。
※この際、コイル巻き数に応じて任意の電圧へ変圧された電気が二次側コイルへ流れます。

 

 

ケイ素鋼板はその名の通り、ケイ素(=シリコン)が3%程含まれており、
磁束の歪みによる損失を減少させる効果があります。

 

低周波トランスには下記の2種類のケイ素鋼板が主に使われており、
いずれも不純物を極力取り除いたり、上記のケイ素含有の他にも、
磁力を通しやすくするための工夫があります。

 
 
 

●方向性ケイ素鋼板
鉄の結晶粒が全て同方向に並べられており、
一方向において非常に磁束が通りやすくなっています。
そのため、熱に変わってしまうエネルギー(鉄損)が少なく、効率的なエネルギーの伝達が可能です。
特定方向に磁束を通すトランスに最適な材料となります。
数回の圧延加工と焼きなましを繰り返して結晶方向を整える為、後述の無方向性より少々高価です。


 

●無方向性ケイ素鋼板
結晶粒が全方向にランダムに向いており、どの方向に対しても磁気が通りやすくなっています。
磁束方向が一定では無いため、トランスの他、回転機(モーター)や、発電機に適しています。
方向性ケイ素鋼板と比較すると特性はやや劣りますが、安価で検討が可能です。


 
 
 

弊社ではお客様がトランスに求められる特性や条件によって、
コアの種類から選別させていただきます。

 
 

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