「実力以上の幸運は、天が人を釣り上げる為の餌でなければ、人の世の落とし穴」【続き】
「え—、どうしよう」
ゴルフのアマチュア大会の予選を通過できた私。
地区決勝の出場の手続きはしたものの、ちょっと困った事に…。
地区決勝は2日間のトータルスコアで争う競技。
そして決まって平日。
今回の案内に書かれていた日程も、木曜金曜の2日間。
予定がなければ平日に仕事を休んでもいいことはいいんだけど、
初日の木曜はちょうど役員会の日だったんです。
「あーどうしよう」
社内だけじゃなく、社外役員の方々も出席されての月1回の重要な会議。
迷惑を掛ける訳にはいかないから、残念だけど諦めるか。
でもなぁ、10年来の幸運。
このチャンスを逃がしたら次があるかどうかわからない…。
とにかくその日はかなり悩みました。
そして次の日の朝の社内役員ミーティングで社長にお願いしてみる事に。
「昨日はお休み頂きましてありがとうございました。」
「それで結果はどうでしたか?」
「はい。それが、偶然予選を通過できまして…」
「それはおめでとう!」
「それで次の地区決勝が○月○日木曜と○日の金曜日でして、○日の木曜日は
月1回の役員会がありますし、どうしようかと思いまして…。」
「せっかく予選を通過したのなら出ればいいじゃないですか。」
「私用で、それもゴルフで欠席も気が引けます。」
「それじゃ、役員会の日程を変更しましょう。」
わぁー、なんとありがたいお言葉。
社長、本当にありがとうございます!
初日の1番ティーに立ったとき、今までにない緊張感。
みんな真っ黒!
みんな上手く見える。
社長をはじめ周りの方々のご厚意に応える為にも、恥ずかしい内容では帰れない。
そう考えたら、益々緊張。
ゴルフでプレッシャーがかかった時に、私はこう考える事にしています。
“対戦相手がいるわけじゃない。自分との戦い。
結果がどうでるにせよ、自分で決めてやるしかない。
前向きに考え、迷わず、怯えず。“
そうなんです。やるしかないんです。
しかしものすごく緊張しました。
普段の生活で、またこの歳になってこんな緊張する事ってあまりないですしね。
後から思えば、このドキドキ感がたまりません。
癖になりそうです。
例えるなら、初めて好きになった女の子に告白した時のドキドキ。
結果は出だしの1番で緊張のせいか少し躓いたものの、1日目は目標のスコアをクリア!
これが良くなかった。
1日目のスコアをゴルフ仲間や所属クラブのメンバーに伝えると、
「え!」
「明日もそのスコアなら全日本出場間違いないですよ!」
との返事。自分より周りが興奮している様子です。
「そうなん?俺もしかして上手?」ってな事で調子に乗ってしまったんでしょうか。
その日の夜は一緒に参加した仲間と宴会。(緊急事態宣言や蔓延防止の前)
決して2日目のスコアが悪かったのは二日酔いのせいではありません。
実力です。
結局、全日本出場は夢となりました。
人生良い事があれば悪い事もある。
浮き沈みは必ずある。
それでも諦めずに努力し続ければ、棚から牡丹餅みたいな幸運もあると言うことでしょう。
今回は天に釣り上げられなかったし、誰の落とし穴でもなかったです。
素晴らしい経験が出来、周りのみなさんに感謝です。
ほんとうにありがとうございました。
幸せな時間でした。