インダクタンスって何?
インダクタンスは、コイルについて話をするときに必ず登場する重要なキーワードです。
コイルを使用する技術者の方もインダクタンスという言葉はよく使うと思いますが
「それって何?」と聞かれると説明に苦労されるのではないでしょうか?
「インダクタンスとは、交流電流における抵抗のようなもの~」
筆者はNHKで放送されているあの人気番組が好きで、ことある毎に真似をしています。
ちなみに、レギュラー番組になる前の不定期放送の時からファンでした。
ちょっと横道にそれてしまいました。本題に戻ります。
一言で言ってしまうとこのように表現できます。イメージを掴めるようにコイルの振る舞い
から順番に説明していきます。ちょっと長くなりますが最後まで読んでください。
コイルに電流を流すと磁場が発生します。電流を大きくすると発生する磁場も強くなります。
実はコイルはあまのじゃくな性格で、コイルに流れる電流を変化させるとこの変化を妨害
つまり電流を増やそうとすると邪魔をし、電流を減らそうとするともっと流そうとします。
ちょっと難しいですが、電磁気学的に説明します。
電流の変化によって磁場が変化します。この磁場の変化を打ち消すように、つまり増加
している時は逆方向に、減少している時は同じ方向に電流を流そうとします。(電磁誘導)
自然界において、磁場が変化している状態は不安定な状態です。一方磁場の変化が無い
状態は安定した状態です。自然界では、現象は安定した状態へ遷移しようとするので
このような現象が起こります。
この状況を踏まえて電気の世界を見てみると、コイルは電流を流そうとしているので
コイルの両端には電圧が発生しています。これを誘導起電力といいます。
誘導起電力は、変化させる電流の大きさが大きいほど大きくなります。また変化する
電流量が同じでも短期間(瞬時)に変化するほうが起電力は大きくなります。
誘導起電力は電流の変化量に比例し、時間に反比例します。これらの変数にコイル固有の
定数を掛けた値が誘導起電力で、式で表すと下記のようになります。
この定数のことをインダクタンスといいます。
インダクタンスが大きいほうが起電力が大きくなります。
コイルやトランスで電圧を変換するときはこの起電力を利用します。
トランスの設計には非常に重要なパラメータ(変数)です。