今までスイッチング電源の打合せや仕様のやり取りの対応をされるなかで
使用部品の名前を知らないため困られたご経験はありませんか?
今月は、スイッチング電源で多く使用されている部品を、その役割を交えて簡単にご説明致します。
① ブリッジダイオード | |
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4つの整流用ダイオードを用いて全波整流を行うことで交流電圧を直流電圧に変換します。 |
② アルミ電解コンデンサ |
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主要電源部やIC駆動回路の電気の波(脈流)を平坦にするために使われます。 寿命部品であり、また、この部品による大きなトラブルが市場で発生したため現在も採用条件(日系メーカ限定など)を規定されているユーザー様が多い。 (ちなみに弊社は日系メーカ限定です) |
③ ACラインフィルタ |
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SW電源に侵入するノイズ、流出するノイズを防ぐためのフィルタです。 |
④ X キャパシタ (アクロス・ザ・ライン・コンデンサ) | |
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ノイズ対策部品です。ACラインフィルタと組み合わせて採用されることが多い部品です。 |
⑤ バリスタ | |
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ある程度以上に電圧が高くなると急激に電気抵抗が低くなる性質を持つ部品です。 高電圧から回路を保護するためのバイパスとして用いられます。 |
⑥ 電流ヒューズ | |
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定格以上の大電流から電気回路を保護、あるいは過熱や発火といった事故を防止する事を目的として使用されます。 |
⑦ スイッチングトランス |
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スイッチングトランスはスイッチング電源の最も重要なキーパーツです。 スイッチング電源の性能はスイッチングトランスで左右されると表現しても決して過言ではありません。 車の主役がエンジンだとすれば、電源の主役はトランスです。 スイッチング電源の動作周波数や動作モード、効率、ノイズ、熱設計など電源設計における様々な要素がスイッチングトランスと深い関わりを持っています。 |
⑧ ショットキーバリアダイオード(SBD) | |
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一般整流ダイオードと比較して順方向電圧 (VF) 特性が低く、スイッチング特性が早いという特長を持ちます。 スイッチング電源の2次側の整流によく使用されます。 リーク電流 (IR) が大きく熱設計を誤ってしまうと熱暴走を起こしてしまうため、適切な選定・評価が必要です。 ショットキーバリアダイオードは、一般的にダイオードの耐圧が100V~150Vまでのラインナップとなるため、それ以上の耐圧が必要な場合はファーストリカバリーダイオード(FRD)やローロスダイオード(LLD)を選定致します。 |
⑨ FET(電界効果トランジスタ) | |
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スイッチング電源のスイッチングを行う主要部品です。 高速化、低損失化、小型化が加速し、近年、パワー半導体はダイオードと共に次世代半導体の取り組みがされています。 |
⑩ 安全規格認定セラミックコンデンサ | |
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ノイズ対策のために1次側~2次側を結合されるためのコンデンサです。 一般的にスイッチング電源の1次側~2次側は絶縁が必要になるため安全規格で定められた基準に適合する部材を選定する必要があります。 選定を間違えると技術基準不適合(法律違反)となり、検査機関による市場調査においてこの様な不適合が例年の様に報告されています。もちろん、法律違反には罰則が伴います。 |
⑪ フォトカプラ | |
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入力された電気信号を光で伝達する事により電気的に絶縁しながら信号を伝達する素子です。 スイッチング電源の1次側~2次側は絶縁が必要なため、1次側~2次側の信号伝達はこの部品にて行います。 |
⑫ シャントレギュレータ | |
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電圧を一定にする電圧レギュレータの一種です。 スイッチング電源の出力電圧を一定に保つための回路部品の一つです。 |
弊社は、スイッチングトランス単体の対応もしております。
スイッチング電源の性能を左右するスイッチングトランス、
お困りの際は是非、加美電子工業へお問い合わせください。