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コロナ放電のおはなし

2016年06月08日
技術ネタ

私は入社して22年、15年ほど前に起こした不具合のことを今でも忘れられません。
その時のことについてお話をさせて頂きます。

 

お客様から、弊社が納品していましたトランスでレアショートが発生し、
装置が動かなくなったので至急来てほしいと連絡がありました。

 

調べると、トランスのコイルとコイルの間に800V程度の電位差が発生し、
この電位差によりショートした事が分かりました。
絶縁物である銅線の被膜とテープを通してコロナ放電が発生し、破壊に到ったのです。
お恥ずかしい事ですが、この時までコロナ放電のことがよく分かっていませんでした。

 

コロナ放電とは、被試験物の電極間に印加した電圧を徐々に上昇させていくと、
絶縁物が耐えきれなくなり絶縁物に電荷が通過します。
この現象をコロナ放電といいます。
わずかな放電では破壊にまで到りませんが、年月の経過とともに放電量が増していくと
何れは破壊に到りますので、放電が発生しないように絶縁方法を考慮する必要がございます。

 

通常、絶縁評価試験の方法としては、耐電圧試験があります。
耐電圧試験は高電圧を印加して、被試験物が絶縁破壊した時に流れる電流(リーク電流)
を検出し良否判定を行います。
今回問題となりましたトランスのコイル-コイル間には出荷時に全数1.8kVの耐電圧試験
を行っていました。

 

絶縁物においては、耐電圧で問題がないことはもちろんですが、
それに加えてどれだけの放電電圧に耐えられるかが大事となってくるのです。

 

コロナ放電試験機では、コロナ放電の絶縁物の絶縁耐力を理解することで、
きちんとした絶縁が出来ているか把握することができます。
この時のトランスの対応策としまして、絶縁強化の為、絶縁テープを1ターンから
2ターンに変更しました。

 

ちなみにコロナ放電試験機で対策前後のトランスの試験結果は下記のようになりました。

tech20160601_01.jpg

注)
開始電圧:0Vから電圧を少しずつ上昇させて、放電が発生する時の電圧
消滅電圧:電圧を少しずつ下降させて放電がなくなった時の電圧
開始電圧、消滅電圧の判定は、放電電荷量10pc以上時
*測定結果にばらつきが見込まれるため、5回繰り返し測定しました。

 

この不具合の発覚後、色々な絶縁材料のコロナ放電電圧の実力値を知るために、
弊社ではコロナ放電試験機を導入しました。

 

インバータ制御のゲート駆動回路など高い電位差がある製品については、
コロナ放電による劣化を考慮した絶縁方法が重要となります。

 

コロナ放電や絶縁のことでお困りの方は経験豊富な弊社までご相談ください。

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