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今さら聞けないスイッチング電源の基本Vol.6 ショットキーバリアダイオード

2019年04月24日
技術ネタ

 

 

ダイオードのスター選手:ショットキーバリアダイオード

 

プロ野球が開幕しました。野球ファンの方は熱心に観戦されているのではないでしょうか?

パワーヒッターでしかも足が速い超攻撃的な選手の活躍を見ると楽しくなりますよね。

こんなスター選手のようなダイオードがショットキーバリアダイオードです(かなり強引なたとえですが……)
ショットキーバリアダイオードはスイッチング電源で良く使います。
ではこのショットキーバリアダイオードとはどういったものなのでしょうか?

一般整流ダイオードと比較しながら違いを探ってみようと思います。

 


 

 

まずダイオードについておさらいします。
ダイオードにはアノードとカソードの2つの端子があります。
アノードから カソードへは電気を通しますが、逆向きには電気を通さない性質があります。

 

 

tech201905_01

 

 

ショットキーバリアダイオードの特徴

・順方向電圧(Vf)が低く損失が少ない
・高速にスイッチング出来る。(非常に早くON・OFFの繰り返し動作ができる)

 

 

 

tech201905_02

 

 

 

ダイオードはアノードに+の電位を、カソードにーの電位を与えると、アノードからカソードに向かって電気が流れます。ダイオード内部には電子の壁があってこの壁を通過するために電位差(順方向電圧)が必要です。ダイオードの損失は順方向電圧×電流で決まりますので、順方向電圧の小さいショットキーバリアダイオードは損失が少なくなります。またエネルギーの移動速度が早いので高速でのスイッチングが可能です。

上記のように優れた性能を持っていますが、残念ながら下記のような短所もあります。

 

 

 

・逆電圧の耐圧が低い
・漏れ電流が多い(攻撃力は高いのですが、守備力は低いです……)

 

 

tech201905_03

 

ショットキーバリアダイオードでは高い逆電圧の壁を作れないので、電位差の大きな  交流を整流することができません。また壁自身の強度が弱いので、逆方向に壁をすり抜けるエネルギーが存在します。これを漏れ電流といい、損失になってしまいます。

 

以上の特徴を持つことから、ショットキーバリアダイオードはスイッチング電源において出力側の整流に使われることが多いです。近年では新しい素材である炭化ケイ素(SiC:シリコンカーバイト)を使って、高価格とはなりますがシリコンを使ったショットキ-バリアダイオードの欠点を克服したデバイスが製品化されています。

 

 

 

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